ハワイみやげのチョコレートでおなじみのマカデミアナッツ。「マカデミア=ハワイ」というイメージを抱く人も多いでしょうが、じつは原産地はオーストラリアなのです。オーストラリアからハワイへ、そして世界中の人々に愛されるグルメナッツとなったマカデミアナッツの歴史をたどってみましょう。
マカデミアナッツは、原産地がオーストラリアのクイーンズランド州であることから「クイーンズランド・ナッツ」ともいわれています。ヨーロッパの探検家たちがオーストラリアの地図を作るずっと以前から、先住民族・アボリジニたちはこのナッツを食べていました。栄養たっぷりのマカデミアのナッツは、彼らの大切な主食のひとつでした。

そして1850年代、イギリス人植物学者フェルディナンド・フォン・ミューラーらが、クイーンズランド州の熱帯雨林に自生しているマカデミアの樹の存在に気づきます。マカデミアという名前は、当時の有名な科学者ジョン・マカダム博士の名にちなんで命名されました。

ところが、マカデミアの木の実が食用になることは、アボリジニ以外の人々には長い間、知られていませんでした。オーストラリアで発見されたマカデミアが移民の手によって初めてハワイ島に移植されたのは、1883年。当時は庭木や生け垣のための樹木として、ハワイに渡ったのです。
マカデミアの木になる実が食用になることをハワイの人々が知ったのは、研究が始まった1920年代になってから。食用としての商業的価値が明らかになるにつれ、徐々に植え付け面積が広がりました。

そして、戦後、ハワイにおいて世界で初めてマカデミアナッツ が商品化され、マカデミアチョコレートで食べるおみやげ品が大ヒット。カリッとした食感と上品でまろやかな風味のマカデミアナッツと、甘くてクリーミーなチョコレートはベストマッチ。旅行者がハワイからマカデミアナッツ入りチョコレートやローストされたマカデミアナッツをおみやげに持ち帰り、高級ナッツとして世界的に知られるようになりました。

その後、ハワイ大学で品種改良や栽培方法などの研究が進められました。殻の薄い栽培品種が誕生したのをきっかけに、オーストラリアをはじめとするその他の国々でも、マカデミアナッツの生産が本格化しました。現在、マカデミアナッツの生産量は世界で年間2万7000トン程度。生産量はオーストラリアが最も多く、2位が南アフリカ共和国、3位がハワイ、4位がケニアとなっています。
マカデミアナッツの生産量はアーモンドの約25分の1とまだまだ少ない状態ですが、年々、増加の一途にあります。その理由は、用途の広がりに加え、すぐれた健康・美容効果が明らかになり、マカデミアナッツの人気が高まってきたため。

マカデミアナッツの用途はチョコレートのほか、クッキーや洋菓子、パン、アイスクリームのトッピング、さらには料理にも広がっています。また、マカデミアナッツを絞ってできるオイルは料理のほか、肌にとてもなじみがよいため、化粧品の材料やマッサージオイルとしても用いられています。

そして、マカデミアナッツに豊富に含まれる「パルミトオレイン酸(POA)」という脂肪酸には、脳の血管を強化し、脳卒中を予防する作用があることが明らかになりました。POAのほか、各種ビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質も多く含まれており、身体によい栄養食品として、脚光を浴びているのです。

おいしくてヘルシーなナッツとして、マカデミアナッツの人気は今後ますます高まっていくことでしょう。